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現在実用されているのは殆んどがシリコントランジスタである、トランジスタの3極はPNP形及びNPN形の夫々につき図7・4のように示される。即ちPNP形接合の場合は、一方のP形をエミッタE、多のP形をコレクタC、中央のN形をべースBと呼ぶ。回路図記号で表示する場合は一般に図7・4に示す表示方による。

 

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図7・4トランジスタの表示記号

 

トランジスタの動作を最も多く採用されているエミッタ接地の接続の場合について次に説明する。
図7・5に示すように、コレクタCに負の電圧を、エミッタEに正の電圧を加えると、BとCとの間にPN接合部に電流阻止方向の逆電圧がかかったことになるので、BとCの間には殆んど電流は流れない。次でエミッタEに正、べースBに負となるような電圧(バイアス電圧)を加えると、EB間のPN接合に対し、順方向電圧がかかったことになるのでエミッタEの正孔(+電荷に相当)はべースに向って流れ込む。ところがべース層は極めて薄いので、大部分の正孔はべース層を通り抜けてコレクタCとの境界面に達する。

 

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図7・5 PNP形エミッタ接地

 

ここまで来ると正孔はコレクタCに加えられている負の電圧により引張られてコレクタ側に急に吸い込まれる。しかしべース層を通過する際、正孔の一部はべース領域内で電子((-)電荷)と結合して中和するのでべースから不足分の電子の補給を受けるために直流IBが流れる。エミッタに流れ込んだ正孔即ちエミッタ電流の大部分はコレクタ直流電流Icとなる。電流IE、IB及びIcの間にはIE=IB+Icなる関係がある。
エミッタ接地の場合のトランジスタの出力静特性の一例を図7・6に示す。こ

 

 

 

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